お蝦夷

2004年4月4日 連載
黒龍の柩」における山南啓助の新撰組脱走の謎の解明は、みごとであり、
山南は、見事な男であった。山南の切腹までが、この小説の序曲になっていて、
ここに、戊辰戦争の展開の合理的な解釈が用意されているのである。
 徳川本舗はどう動いたのか、それを、勝海舟の腹の内を山南が、読もうとする形で
描いている。
 そう読んでみると、確かに、榎本武揚の動き方、蝦夷共和国の構想、これが、徳川宗家の
狙いでもあったかもしれない。
 お人よしとされる徳川慶喜の動き方も、日本を二つに割る、徳川の存続を独立させたいということで
理解できるのであり、もとより部族連合的頂点に立った幕府として、ほなさいなら、
 でよかったのである。
戊辰会津の悲劇はつらすぎ、パックス徳川ー名と、近代国家のお手並みは意見を、
 やって、事細かな不可解な戊辰列伝などは、避けていくのであるが、
 北方戊辰論の挑戦は、土方歳三の造詣に託された。

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